IT業界のカラクリ

IT業界≒建設業界と仕組みは一緒!

多重下請け構造

IT業界でも、他の業界でも、国からの仕事は多くあるかと思います。今回は、そのような身近である国からの仕事を例に仕組みを整理してみたいと思います。

国の仕事を行う場合、仕事を発注する国、その仕事を受注し全体工程を管理する大手企業、大手企業の仕事を行う元請け企業、次に元請け企業を支援する二次請け企業、更に二次請け企業を支援する三次請け企業・・・と多くの企業が一つの仕事に関わる多重下請け構造になっています。

そして、多重下請け構造を管理するため、一般的には発注元の大手企業に各企業のエンジニア達を常駐させ、協力して一つのシステムを作り上げます。この仕組こそが、建設業界の大手ゼネコンに近いので、ITゼネコンと言われる理由になっています。

IT業界の給与が安いのは業界の仕組みが原因だ!

IT業界の悩み

このサイトをご覧頂いている方の中には、今の会社に不満を持っている方もいるかと思います。もっと言うと転職を考えているかもしれません。転職の理由は人それぞれだと思いますが、中には給与や待遇面に不満をもち、新たな会社へ移る方も少なくないと思います。

それでは、なぜ給与が安くなってしまうのでしょうか?

これは先程話しをしたITゼネコンの仕組みが根本的な原因となっています。
具体的には、元請け企業から二次請け企業、二次請け企業から三次請け企業、三次請け企業から四次請け企業・・・と多重下請け構造を取っているため、各企業は仕事を発注する際に手数料を差し引いているのです。この手数料によって、もともと大手企業が100万円で発注した仕事も、二次請けに発注する際には80万円になり、三次請けに発注する際には60万円になり、四次請けが発注する際には40万円になります。
あくまで例ではありますが、この場合は、元の100万円から三次請け企業の時点で60万円となってしまうため、従来金額の約半分となってしまっています。当然、三次請け企業は60万円の中からエンジニアへの給与を捻出しないといけないので、元請け企業や二次請け企業と比較すると、給与が安くなってしまいます。

ここで大切なのは、給与を平均値や知人と比較するのではなく、今、自身の属する企業がどのポジションで仕事を請けているのか、そしてその金額がいくらで請けているのかを知った上で判断する必要があります。

仮に三次請けの企業でも、60万円の中から30万円を給与とするエンジニアに優しい会社もありますし、元請けで100万円の売上があったとしても、30万円以下しか支給しない利益追求を優先する会社もある訳です。
給与が安い、待遇面が悪い等、不満を口にするのは簡単ですが、まずはこのような情報を開示してくれる“稀”な企業であるかを確かめてみることが重要です。

情報は開示されませんでした…なら、とりあえず大手企業に就職すればよいですか?

大企業だと安心?

“いくらでこの仕事請けていますか?”や“私のスキル単価はいくらですか?”など、思い切って質問した結果はどうだったでしょうか?非常に残念ではありますが、それらの回答は“無”だったと思います。先程もいいましたが、情報を開示する企業は“稀”です。

そういった意味では、給与をはじめ、待遇面という大きな枠でみると、大手企業が充実しているのは“恐らく”間違いありません。それでは、IT企業に就職する際、よく言われる大手に就職しないさいというパターンが良いかをみていきたいと思います。

大手企業は待遇面が充実している一方で、仕事に対する取捨選択の自由がないというのが一般的です。具体的には、自身のやりたい仕事と異なる業務のため、部署の異動願いを出したとします。
これを上司は素直に受け入れて、早々に希望部署に異動できるのでしょうか?

これも非常に残念な話ではありますが、一個人に対して、大きな組織である大手企業が体制を変えるというのは、非現実的な話であるのが現状です。
よく名のある大手企業に在籍しながらも転職する方々がいるのは、そういった理由もあります。
あくまで大手企業の安定は給与や待遇面であり、個人の仕事へのやりがいや個人のキャリア選択の自由があるかと言うと、もの凄く限られていることを理解しておかないといけないのです。
それ故に大手企業に在籍している方が何かしらの理由で自社が破綻に追い込まれた時、個人としてキャリアやスキルが何も残っていないのはよくある話です。
大手企業というのは一個人というよりも組織、つまり企業ブランドで生きているのを忘れてはならないのです。

大手企業が駄目なら、いわゆるベンチャー企業の方がよいの?

“恐らく”仕事の取捨選択が自由にでき、個人のブランドを確立できる中小企業に就職するのが正解なのでしょうか?

こちらの回答もまたYESではないのも事実です。
先程もお伝えしたように、比較的自由に仕事を選べる反面、三次請けや四次請けの企業も多数あるため、給与面が一般水準よりも低い企業が多いのが現状です。
また、その他待遇面でも保障面や手当面で弱いという点も忘れてはなりません。

デメリットばかりあげた中小企業ですが、大きな魅力、それが冒頭にお伝えした取捨選択の自由です。
具体的には、将来の自分のキャリアに基づいて、仕事を選べるというのが大きな点です。
万が一、会社が倒産した場合でも、一個人の価値というものは、技術力や経験値となって大きなブランドになることは間違いありません。
その結果、中小企業から大手企業への転職や、人によってはフリーランスとしての独立や法人設立まで行う強者も多くいるのも事実です。

組織に属する以上は、いつかはトップに立ちたい、自分の意見を社長に直接伝えたい、という想いを持つのが本能です。
大手企業では実現が難しいこれらのことも、中小企業なら実現するチャンスが多くあるというのも魅力の一つではないでしょうか。

結局、大手企業も中小企業も同じ!?なら、どうすればよいんですかね?

一つの答えとしては、大手企業と中小企業のメリットを持ち合わせている“稀”な企業をみつけることです。

しかし、これは非常に難しいことであるため、まずは、自分自身のキャリアパス検討することをオススメします。
その上で重要なことは、大手企業でも絶対的な安定はないですし、中小企業でも絶対的な業務の取捨選択が保障されている訳でもないということです。

大切なのは、こういった事情を理解して自身のスキルやブランドの構築に協力的であり、積極的にフォローしてくれる企業であるかどうかです。
仮に最適なキャリアパスで経験を積んできた場合、優れたスキルを持つことになるでしょう。
そのようになれば大手企業からも積極的に採用の声がかかりますし、中小企業からは一個人として仕事の相談がくるかもしれません。
従来の考えでは検討もしなかった独立さえも現実的な話になってくることでしょう。

このように大手企業でも中小企業でも、大切なのは自分自身のキャリアパスをどの程度実現してくれるかということです。
更に理想を言うならば、理想を掲げるだけではなく、その理想を歩んだ経験のある企業であるかどうかも重要です。
極端な話ですが、エンジニアを経験していない人がエンジニアのことを語っていても聞いた話でしかないですし、実際に説得力はありません。
このように様々な角度から企業をみて、自分自身が納得した企業こそが理想の企業なのではないでしょうか。
まず初めに現在の働き方や将来のキャリアパスについて、見つめ直すための行動を起こしてみてはいかがでしょうか。

どちらを選びますか?